-  みたいなスクール開催前から、リビセンのメンバーと交流があったんですよね。

蝦夷丸さん:昨年くらいから空き家の利活用についての勉強会をはじめているんです。リビセンの東野さんにも上川町に来てもらって、諏訪のエリアリノベーションについて話を聞かせてもらいました。

自分たちが暮らしていく地域でどういう事業をやっていこうかと考えたとき、やっぱり空き家を流通させていきたい。けれど残置物がネックになって話が進まない、ということがよくあって。空き家に残ったものをレスキューして買取、販売するような事業をつくれないか考えているんです。

アツヤさん:僕は今、地域おこし協力隊として活動していて、卒業後に個人で古家具や雑貨のお店をやろうと考えています。友達がいたことをきっかけに来た町ですが、ここにいる仲間たちと一緒にやっていきたいと思うようになってきて。ものを回収して売るところは僕の事業、空き家を見つけて移住者が住むという不動産的な動き、エリアリノベーションにつながることは一緒にできないかと考えているので、スクールには2人で参加しました。

-  事業をつくる先に、地域のことを見据えているんですね。


蝦夷丸さん:上川町の仲間たちは、お互いのやることを応援し合うことを意識して活動している人が多いんです。こういう田舎で、自分たちがいいよねってことを表現しながら暮らしていこうとしたら、周りの人たちと協力せざるを得ないと思うんですよ。空き家をなんとかしていこうという動きも、新しい仲間が入ってきやすい状況づくりのひとつで。お店をやりたいという人が出てきたときに、僕らみんなで手伝えるような体制にしておきたい。それがリビセンのスクールに参加した大きな理由でもあります。

-  実際に参加してみて、どうでしたか。
 
蝦夷丸さん:数字の話も赤裸々にしてもらって改めて確認できたのが、ちゃんとお金を稼いでいる事業なんだなということで。古材屋さんや古物屋さんって儲からない、お金にはならないけど好きでやってる仕事、みたいなイメージがどこかであったんです。リビセンはそんなことなくて、収益がでるようにちゃんとビジネスがつくられている。社会にいいこと、やりたいことをやってるからお金にならなくてもしょうがない、みたいな感じでやらなくていい。諦めなくていいんだと思えました。
 
アツヤさん:お店をやる場所は決まっているものの、準備はまだまだこれからです。具体的になにをどうしていけばいいのかみたいなのがわかっていなかったのが、スクールで全部教えてもらっちゃったんですよね。知らないとは言えない、もう言い訳できなくなりました。がんばります。
 
 
インタビュー:2023/11/17
 
絹張 蝦夷丸
1990年生まれ。北海道・オホーツク・湧別町出身。
2019年に札幌市から道北の上川町へ移住し、地域おこし協力隊としてKAMIKAWORKプロジェクトなど、多くの地方創生事業に携わる。
2021年北海道上川町に交流スペースやシェアハウス、泊まれる複合施設などを企画運営するまちづくり会社(株)Earth Friends Campを創業。
2022年にロースタリーカフェKINUBARI COFFEE ROASTERSをオープン。
空き家・空き店舗を活用した場づくりやエリアリノベーション、地域コミュニティのコーディネート、移住定住支援、地域おこし協力隊サポートなど、上川地域におけるまちづくり、地域づくりに関わる様々な仕事を幅広く手がける。
X(旧Twitter):@ezomaru_k
Instagram:@ezomaru.k

 
タサキアツヤ
1992年生まれ。茨城県出身。山小屋勤務やアウトドアショップ勤務を経て、
2021年12月より北海道の上川町に移住。地域おこし協力隊として活動中しながら、
上川町の空き家などの改修に大工として携わることもしばしば。
2022年より「本と珈琲と〇〇」というイベントを企画し、道内各地で継続的に開催。その中で、小説の執筆活動なども行なっている。将来的には古家具や古材を取り扱うショップを開店予定。

Instagram
@atsuya_lemoned
@book.and.coffee.and.oo

写真:五味貴志